河合奈保子「あるばむ」レビュー~アイドル歌手の分岐点~

先日、ふと河合奈保子さんの5thオリジナルアルバム「あるばむ」を改めて聴き込んでみたくなりました。

私はデビュー当時から河合奈保子さんの事が大好きで、河合奈保子さん関連のモノは出来る限り集めていました。

レコードもその一つで、予約情報を知ったら、すぐに近所のレコード屋さんに行って予約していました。

今回、何故「あるばむ」を聴き込んでみたくなったかというと、当時、河合奈保子さんのレコードの中で、あまり聴かなかったアルバムだったからです。

何故、当時はあまり聴かなかったのか、自分なりの答えを見つけるべく、ここ何日か「あるばむ」を聴き続けました。

今回は、「あるばむ」について、アルバムの仕様と共に、当時思った事、改めて聴いて思った事、新たに気づいたことなどについて書いてみたいと思います。

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アイドルの分岐点的アルバム

「あるばむ」は1983年1月にリリースされたアルバムで、同年に20歳を迎える河合奈保子さんにとって、10代のアイドルから脱皮し、大人の女性を意識させるような分岐点的アルバムでした。

その序章として、前年の9月と12月にリリースされたシングル「けんかをやめて」、「Invitation」も、このアルバムに収録されていますが、各B面の曲は収録されていません。

竹内まりやさん、来生たかお&えつこさんによる楽曲提供ということも話題になりました。

アルバムの仕様

「あるばむ」は、河合奈保子さんのアルバムでは、初の二つ折り見開きになっていて、このアルバムを手にした時、すごく豪華な印象を持ちました。

ジャケットを開くと、これから20歳を迎える河合奈保子さん直筆によるポエムが書かれています。

封入パンフレットも見開きになっており、ジャケットやパンフレットには、清楚で気品あふれる心穏やかな河合奈保子さんが写っています。

レコード盤面中央には、写真同様の雰囲気を持つ河合奈保子さんが描かれています。

パンフレットには、来生えつこさんと、音楽評論家の八木誠さんのコメントが書かれています。

来生えつこさんのコメントの中に、「あまり小細工などせずに、素直なままで」という一文がありますが、これは河合奈保子さんに対する当時のファンの共通の願いだったように思えます。

パンフレットの中には歌詞がプリントされていますが、B面最後の曲「恋ならば少し」の歌詞は、来生えつこさんの手書きとなっています。

そこには、河合奈保子さんやアルバム製作スタッフに当てたと思われるコメントも添えられています。

リリース当時の「あるばむ」には、プレゼント応募はがきが付いていて、クロスワードパズルとアンケートに答えて応募すると、バンダナやマフラーがもらえるといった内容でした。

ちょっと記憶が曖昧なのですが、確かこの懸賞に応募して、「NAOKO」と書かれた赤いバンダナを当てたような記憶があります。

しかし、このクロスワードパズルの問題を見ると、物凄く時代を感じます(;^ω^)

私の個人談ですが、私の持っている「あるばむ」には、現在、パンフレットは入っていません。

何故かというと、当時、このパンフレットの雨ガラス越しに写っている河合奈保子さんが好きで、パンフレットを自分の部屋の壁に飾っていましたが、実家を出る際、部屋をそのままにしておいて、久しぶりに帰省したところ、いつの間にか、親に部屋あったモノのほとんどを処分されてしまったからなんです💦

なので、このレビューを書くに当たっては、CDに添付されているモノを参照しています。

収録曲とアルバムの雰囲気

収録曲は以下の通りで、B面に関しては、全て作詞は来生えつこさん、作曲は来生たかおさんとなっています。

(A面)

  1. Invitation(詞・曲:竹内まりや)
  2. ダブル・デイト(詞:竹内まりや 曲:林哲司)
  3. 追跡(詞・曲:竹内まりや)
  4. 砂の傷あと(詞:竹内まりや 曲:林哲司)
  5. けんかをやめて(詞・曲:竹内まりや)

(B面)

  1. 浅い夢
  2. ささやかなイマジネーション
  3. 惑いの風景
  4. オレンジ通り5番街(振り向いてアベニュー)
  5. 恋ならば少し

アレンジ(編曲)は、大村雅朗さんがA面1,3曲とB面の全曲、清水信之さんがA面5曲目、林哲司さんがA面2,4曲目となっています。

まず、A面ですが、1曲目の「Invitation」と5曲目の「けんかをやめて」というしっとりした曲で始まり終わるという構成になっています。

その間にある曲はバラエティに富んでいます。

2曲目の「ダブル・デイト」は、これまでの河合奈保子さんを象徴するかのような可愛らしさを感じさせるポップソングで、竹内まりやさんの7thシングル「イチゴの誘惑」(詞:竹内まりや 曲:林哲司)に似た雰囲気を持つ曲です。

3曲目の「追跡」は、後にアイドル岡田有希子さんの作詞作曲を担当することとなる竹内まりやさんの片鱗を垣間見れるような曲で、岡田有希子さんの曲で言えば、「哀しい予感」を彷彿させるような曲です。

4曲目の「砂の傷あと」は、タイトルに「傷」とあるので、一見マイナー調の曲のように思えますが、明るく壮大な空を思わせるようなポップソングです。

次にB面ですが、1曲目の「浅い夢」、4曲目の「振り向いてアベニュー」は、来生たかおさんのオリジナル曲のカバー、その他は新たに書き下ろされた曲という構成になっています。

ちなみに、来生たかおさんの「浅い夢」は、来生たかおさんのデビューシングルで、1stアルバム「浅い夢」に、「振り向いてアベニュー」は、3rdアルバム「By My Side」に収録されているので、気になったらオリジナルバージョンも聴いてみてください。

来生たかおさんの曲は、大まかに言うと、ゆったりと時間が流れるような優しい感じのする曲と、声に出さずに心で泣くような切ない曲のパターンがありますが、このアルバムでは、おおらかで優しい感じの曲が大半を占めています。

3曲目の「惑いの風景」は、B面唯一のマイナーソングで、後の河合奈保子さんのシングル「疑問符」を思わせるような曲となっています。

余談ですが、久しぶりにパンフレットを熟読していたところ、気づいたのが、B面の5曲目と6曲目のBacking VocalにクレジットされているAmy(エイミー)。

「Amyって、あの「瞬間少女」のAmy?」と思って、パンフレットの他のクレジットなどを良く調べてみましたが、たぶん、そのAmyで間違いないと思います。

Amyは、1983年3月にギタリストの松原正樹さんプロデュースによりデビューした実力派アイドル的シンガーですが、「あるばむ」のB面5曲目の「恋ならば少し」のギタリストとして松原正樹さんが参加されているので、Amyさんがデビューする前に、「あるばむ」のレコーディングに参加させたのだろうと思います。

「あるばむ」の当時の印象と現在の印象の違い

当時、「あるばむ」を初めて聴いた時の第一印象は、全体的に大人しい感じでつまらない…でした。

シングル「けんかをやめて」は、その歌詞の内容から、周りの友達らに色々言われましたが、印象的なメロディーと、そんなに謝らなくてもいいよ💦と思う程、河合奈保子さんが悲し気に歌う雰囲気が好きでした。

ただ、次のシングル「Invitation」は、「けんかをやめて」と同じようなメロウな雰囲気だったので、曲の良し悪しというより、次はポップな河合奈保子さんの曲を期待していただけに、あまり好きではありませんでした。

そう言う事もあって、「Invitation」は、当時、私が唯一購入しなかったシングルでした。

そんな中ではリリースされた「あるばむ」は、全体的に、この2曲のシングルの世界観が支配している気がして、当時、中学生だった私は、どういう場面で聴いたら自分にハマるのか全く分からず、そのままほとんど聴かず仕舞いになってしまいました。

さて、現在の印象ですが、当時の印象とは違って、同じような曲ばかりでつまらないという事はありません。

収録曲はバラエティに富んでいて、20歳を迎える河合奈保子さんのイメージに合った曲調、アレンジで、聴いていてとても心地よく感じます。

ただ、当時、つまらないと感じたことも理解できます。

シングル「けんかをやめて」からアルバム「あるばむ」がリリースされた頃は、中森明菜さん、堀ちえみさん、早見優さん、小泉今日子さんなどの所謂82年組と言われる個性的なアイドルが、あちらこちらの歌番組などに出始め、初期の河合奈保子さんの曲に感じた華やかで可愛らしいアイドルソングを歌いまくっていましたし、テクノポップ(テクノ歌謡)といった印象深いアレンジで攻めて来る楽曲の全盛期でした。

現在のアイドルは、20歳を超えても、10代と変わらない可愛らしいパフォーマンスをしてくれていますが、当時のアイドルは、大体20歳を迎える頃になると、お化粧が濃くなったり、アダルトな雰囲気になったりして、私はそれが嫌で、20歳を超えても、まだまだ可愛らしいアイドルでイケるじゃん!そのままでいて欲しい!などと思っていました。

幸い、河合奈保子さんの場合は、大人へのステップとして、妙なアダルト路線に行かなかったので、ホッとしていたことを思い出します。

「あるばむ」をつまらないと感じたのは、こういった時代背景もあったと思いますが、「あるばむ」の構成、特にA面5曲目の「けんかをやめて」から、B面の1,2曲目までメロウな曲が並んでいたことも、一つの要因かと思います。

あとはサウンド面。

これまで華やかだったアレンジが、「あるばむ」では全て落ち着いた雰囲気になっていたため、それも各楽曲の印象が単一的に思えてしまったんだと思います。

特に、それまでの河合奈保子さんの曲で特徴的だと感じていたのはエレキギターの音で、レコード屋さんがプロモーションとしてリリース前の河合奈保子さんの曲を流していた時、イントロのエレキギターの音を聴いただけで、河合奈保子さんの曲だと分かりました。

甘く伸びやかでキレのあるギター…

あとで知ったことですが、私が特徴的だと思った多くのエレキギターの音は、松田優作さん主演の「探偵物語」の主題歌などを担当していたSHOGUNのギタリスト 芳野藤丸さんでした。

久しぶりに聴いて、少し残念に思ったのは、B面の来生たかお&えつこさん作品で、当時、このペアがアイドルに提供する曲は、メロウで切なく、サビに向かって徐々に切なさを増していく曲が多く、この雰囲気が大好きで、来生たかおさんの曲も良く聴いていましたが、そういう曲が1曲もなかったこと。

ただ、こういった雰囲気の曲はデビュー間もないアイドルに提供されることも多かったため、20歳を迎える河合奈保子さんには合わないと思われたのどうかは分かりません。

まとめ

久しぶりに「あるばむ」を聴き込んでみて、アルバムを通しての雰囲気の良さを再確認することができ、新たな気づきもありました。

当時はたくさんのアイドルがいたので、それぞれイチ押しのアイドルがいて、お気に入りのアイドルのアルバムを購入された方も多いと思います。

もし、それがまだ手元に残っていたら、もう一度開いてみてください、

思いがけないものがレコードジャケットの中から飛び出してくるかもしれません(^_-)-☆

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