岡本舞子 アルバムレビュー「ハートの扉+8」「ファッシネイション+9」

2017年12月20日にタワーレコード限定販売による岡本舞子さんの1stアルバム「ハートの扉+8」、2ndアルバム「ファッシネイション+9」が発売されました。

1984年にテレビアニメ「魔法少女ペルシャ」のテーマソングでプレデビューし、1987年に引退しましたが、現在は良いお母さんとして過ごしていらっしゃると思います。

私の岡本舞子さんの当時の印象は、当時よく見ていた西城秀樹さん司会の「モーニングサラダ」という番組に出演していたかわいい女の子というイメージしかなく、彼女が歌っている場面はあまり記憶にありません。

後になって動画サイト等で岡本舞子さんの「ファンレター」などを聴き、その独特の歌唱に興味を持ったので、アルバムを購入してみようと思いましたが、その時点で、1stアルバム「ハートの扉」は、廃盤で高値になっていた為、諦めていました。

しかし、この度の再リリースにより、ようやく岡本舞子さんの残した2枚のアルバムを手にすることができたので、今回は、この2枚のアルバムの特徴、タワーレコード限定販売盤の内容、UHQCDの音質について感じたこと等について書いてみたいと思います。

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豪華になって帰ってきた岡本舞子のアルバム

今回再販されたアルバムは、かつて発売されたLPやCDよりも収録曲数が多く、封入特典も豪華ですが、価格は2500円(税別)とほぼ据え置きです。

アルバム収録曲

岡本舞子さんのリリースされたアルバムは、「ハートの扉」「ファッシネイション」の2枚のみで、今回再販されたCDには、未収録だったシングル曲のAB面も含まれており、この2枚のアルバムを購入すれば、岡本舞子さんの曲はコンプリート出来るようになっています。

それぞれの収録曲は以下の通りで、11曲目からは、タワーレコード限定盤のボーナストラックとなります。

ハートの扉

  1. ハートの扉
  2. 桜吹雪クライマックス(1stシングルB面)
  3. ロマンスしたい
  4. LOVE IS EASY
  5. 愛って林檎ですか(1stシングル)
  6. 恋にエトセトラ
  7. ファンレター(2ndシングル)
  8. もしもし
  9. SNOW BIRD
  10. ロマンチックがもの足りない
  11. エデンの園(2ndシングルB面)
  12. 愛って林檎ですか(カラオケ)
  13. ファンレター(カラオケ)
  14. 恋にエトセトラ(カラオケ)
  15. 見知らぬ国のトリッパー(プレデビューシングル)
  16. ラブリードリーム(プレデビューシングルB面)
  17. 見知らぬ国のトリッパー(カラオケ)
  18. ラブリードリーム(カラオケ)

ファッシネイション

このアルバムに関しては、LPの収録曲は10曲目まででしたが、CD化された際は11曲目として「夜のアリア」が収録されていました。

  1. L.A. LOVER
  2. ファッシネイション(5thシングルB面)
  3. 蒼いサマータイム
  4. ストレンジャーの夜
  5. バラと拳銃
  6. 臆病なヴィーナス(4thシングル)
  7. ナツオの恋人ナツコ(5thtシングル)
  8. 無防備なあいつ
  9. 100What💡?!Girl
  10. 11月のソフィア(3rdシングル)
  11. 冬が終わるまで(3rdシングルB面)
  12. 夜のアリア – Starlight Dreaming -(4thシングルB面)
  13. さよならペガサス(6thシングル)
  14. 素敵なフラッパー(6thシングルB面)
  15. 11月のソフィア(カラオケ)
  16. 臆病なヴィーナス(カラオケ)
  17. ナツオの恋人ナツコ(カラオケ)
  18. さよならペガサス(カラオケ)
  19. L.A. LOVER(カラオケ)

封入特典

ジャケットや歌詞カードなどは、当時のLPを再現していて、特に「ハートの扉」は、当時の封入特典と思われるステッカーも付属し、盤面全体がピクチャーCDとなっています。

シングル曲のジャケットも封入されていますが、これは表面・裏面のみならず、当時の2つ折り、3つ折りの状態もそのまま再現されています。

その他、1stアルバムの全曲の作曲・編曲をした山川恵津子さん、担当ディレクターだった小池秀彦さんへのインタビュー、ラグジュアリー歌謡の藤井陽一によるアルバム解説の冊子が入っています。

このインタビューに関しては、1stアルバムが前編、2ndアルバムが後編となっています。

アルバムの音質

この2枚のアルバムは、K2 HD PRO MASTERINGによる最新マスタリングと、UHQCDという高音質記録フォーマットにより復刻しました。

これにより、どの程度の音質向上が図られたのか、「ハートの扉」と「ファッシネイション」の旧盤と聴き比べをしてみます。

試聴曲として「愛って林檎ですか」と「100What💡?!Girl」を使用しましたが、私のパソコンに残っている旧盤の音源はmp3の192kbpsで、今回の再発盤はflacで取り込んだため、純粋な比較とはならない点をご了承ください。

試聴に当たり、パソコンにSONYのポータブルアンプPHA-2をデジタル接続し、ヘッドホンはSONYのモニターヘッドホンMDR-Z1000を使用しました。

音楽再生ソフトはSONYのMEDIA GO(ASIO出力)です。

さて、聴き比べた感じですが、正直微妙でした。

取り込みフォーマットの違いがあるせいか、音の滑らかさや空間的な広がりは若干再リリース盤の方が上かなと思いましたが、音のバランス・分離具合、解像度、音像の大きさ、音の芯の強さ等、ほとんど違いを感じませんでした。

今回の再リリース盤は、元のマスターには手を付けず、単に最新の高音質フォーマットを使ってプレスし直しただけのような気がします。

ただ、再生環境や聴く人が変われば、また別の印象を抱くかもしれません。

アルバムの印象

この2枚のアルバムは、岡本舞子さんが14~15歳にかけて作られたものですが、とても中学生の女の子が歌っているようには思えないほど、しっかりとした歌唱力を持っています。

声はかわいらしいというよりは、芯の通った厚みと安定感のある歌声で、時々、フレーズの語尾が、松田聖子さん、太田貴子さん、姫乃樹リカさんのようにクニャっと持ち上がり、リスナーを刺激する魅力的な歌声です。

ハートの扉

どのアイドルも1stアルバムは初々しく、製作者側も「この子をこれから売り出すぞ!」といった気合が入っていると思うので、聴いていて非常に心地よいものが多いのですが、この岡本舞子さんの1stアルバム「ハートの扉」は、完成度が異様に高く、1stアルバムにしてアイドル「岡本舞子」が完成完結してしまったような印象を受けました。

完成度が異様に高いと思ったのは、岡本舞子さんの安定した歌唱、進化したサウンド・アレンジ、メロディーのオリジナリティといった点からです。

70年代前半は生楽器主体で人間味あふれるサウンドでしたが、70年代後半辺りから少しずつシンセサイザーのサウンドが加わり、80年代後半辺りからはシーケンサーの導入等により、音楽の印象もだいぶ変わってきました。

この「ハートの扉」は、1985年にリリースされたアルバムですが、ちょうどサウンドが新しい方向に進んでいこうとする時期でした。

生楽器が強すぎると従来のアイドル歌謡から抜け出せず、デジタル楽器が強すぎると歌唱力のあるシンガーの良さを殺してしまうような気がしますが、「ハートの扉」は、そのブレンド具合が絶妙で、その後の打ち込みサウンドへ移行していく音楽を聴いていると、「ハートの扉」辺りのバッキングトラック録音方法がベストなんじゃないかななんて思えてしまいます。

「ハートの扉」は、アルバムの幕開きにピッタリな厳かで壮大な雰囲気のあるアルバムタイトル曲で幕を開け、その後、ファンキーでキレのあるリズムを持つ曲、ゆったりとしたバラードのような曲等、バラエティーに富んでいますが、かつての昭和アイドル歌謡によく見られたドロドロした哀愁を感じさせるマイナー調(悲し気な曲調)の曲は1曲も収録されていません。

このアルバムは、全曲、山川恵津子さんが作曲とアレンジを担当していますが、どの曲にも耳に残るフレーズが散りばめられており、楽曲に目新しさを感じます。

曲調がマイナー(又はメジャー)に行きそうで行かなかったり、歌と歌の隙間にちょろっと現れる印象的なオブリガード(短いバッキングメロディー)など、聴きどころ満載です。

このアルバムを聴いていると、山川恵津子さんはメロディーを先に作ってアレンジするというより、メロディーとアレンジが同時に頭に浮かぶタイプの方のような気がしました。

個人的に一番印象に残ったのは、「桜吹雪クライマックス」という曲のサビの「散らせて 散らせて」という部分で、岡本舞子さんの一生懸命歌っている様子が目に浮かび、とてもかわいらしく思えました。

ファッシネイション

「ハートの扉」はアイドルポップとしてバラエティに富んだアルバムでしたが、「ファッシネイション」は、また違った意味でバラエティに富んでいます。

前作同様のアイドルポップ的な曲もありますが、全体的な印象としては、岡本舞子という歌唱力のある歌手を、アイドルポップとは別の次元に連れて行こうという感じがするアルバムです。

そのせいか、作曲は前作のように山川恵津子さんが全曲担当するのではなく、久保田利伸さん、尾崎亜美さんらも担当しています。

ファンキーなリズムやシンセベース、前作よりも抑揚の押さえられたメロディーなどを聴いていると、その当時に流行った洋楽POPのような雰囲気も感じます。

リズムに乗るのが難しい曲も多々ありますが、岡本舞子さんはビシッとリズムに着いてきて、今後の展開を非常に期待させるようなアルバムです。

このアルバムが岡本舞子さんのラストアルバムになってしまったのは残念ですが、もし活動を続けていたなら、自身で曲を作ったりして、よりアーティスティックなアルバムが出来たような気がします。

まとめ

今回、タワーレコード限定で再リリースされた「ハートの扉」と「ファッシネイション」は、封入特典満載で、久しぶりにレコードを購入してポスターなどの特典をもらった時のような満足感がありました。

完全限定生産盤なので、気になった方は入手困難になる前に手に入れてください。

特に「ハートの扉」に関しては、屈指のアイドルアルバムで、80年代アイドルファンなら必聴です。

★タワーレコード「岡本舞子」商品ページはこちら

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