ハイレゾ「残酷な天使のテーゼ」をハイレゾ対応・非対応イヤホン(ヘッドホン)で聞き比べてみた

今まで、当ブログの各記事の中でちょこちょことハイレゾについてのお話をさせていただいていますが、今回はハイレゾにスポットを当て、もう少し突っ込んだ内容の記事を書こうと思います。

ハイレゾ版「残酷な天使のテーゼ」を、ハイレゾ対応・非対応のイヤホン・ヘッドホンを使って聞き比べ、ハイレゾについて色々検証をしていきます。

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ハイレゾは神なのか!?

ハイレゾ音源の音質について

ハイレゾは、通常のCDよりも情報量が多いため、高音質と謳われていますが、全てのハイレゾ音源がCDよりも高音質とは必ずしも言い切れません。

スペック上はハイレゾの方が高音質かもしれませんが、聴感上は違います。

ハイレゾ化される元の音源の質によって高音質に聞こえるか否かが決まります。

ハイレゾ化される元の音源がアナログマスターでなくても、丁寧なリマスタリングを施してあれば、高音質と感じられるものもあります。

ハイレゾ音源を購入する場合、まず音楽配信サイトで試聴してみてください。試聴では細かい空気感までは分からないと思いますが、旧譜とのリマスタリングの度合いはある程度は分かります。

私の個人的な感じ方なのですが、ハイレゾで高音質と感じるものは、以下のような特徴があります。

  • 音場が、あたかも密閉型ヘッドホンから開放型ヘッドホンに変えたかのように広く、音場の限界を感じ難い
  • 音のエッジ(輪郭)が滑らかになり、硬さがほぐれ、音の生々しさが増す

これは、サンプリング周波数(kHz)帯域が広くなることによる気配といった空気感までも表現することができることと、量子化ビット数(bit)が上がることによる音の波形がよりなめらかになることによるものです。

時々、ハイレゾについて超高域を聞き取れるか否か等の論争をしているのを見かけますが、ハイレゾの高音質とは、超高音域で鳴っている音が聞き取れるかということは全く関係なく、ハイレゾスペックによって音の情報量が増え、音の消え際が自然であったり、音がなめらかになったりすることを言います。

よって、年齢的に高域が聞きづらいからハイレゾを購入するのは止めようという考え方は間違っています。年齢に関係なく、ハイレゾ音源で気に入った曲があったら是非購入して、音楽ライフを満喫してください。

イヤホン・ヘッドホンのハイレゾ対応か否かについて

ハイレゾ対応イヤホンの定義は、40kHz以上の高域再生ができることとなっており、この基準を満たしたイヤホン・ヘッドホンにハイレゾマークが付くようになっています。

イヤホン・ヘッドホンを購入する際、このハイレゾ表記があるか否かは気になることと思います。

そして、同じ価格帯のイヤホン・ヘッドホンを見つけた場合、ハイレゾという言葉に魅かれ、ハイレゾマークの付いた製品を選択される方もいらっしゃると思います。

40kHz以上の高域とは何かというと、音というより、音が鳴った後の余韻や空気の消え際といった感覚の部分です。

ハイレゾの元となる音源が再生帯域の広い状態で録音されている場合、こういった部分までも再生されるため、まるで自分の耳で日常の音を聞いているかの如く、音の減衰が非常に自然になります。

しかし、イヤホン・ヘッドホンの音質は、こういった再生帯域の広さだけで良し悪しが決まるものではなく、むしろ通常耳に入ってくる音の質感・解像度(細かい音が聞こえる度合い)の方が重要と言えます。

では、実際に同じハイレゾ音源を試聴曲に使用し、ハイレゾ対応と非対応のイヤホン・ヘッドホンの聞き比べをしてみたいと思います。

試聴曲と試聴環境について

試聴曲


(曲名)残酷な天使のテーゼ(Director’s Edit. Version)

(アルバム)NEON GENESIS EVANGELION【2013 HR Remaster Ver.】

(アーティスト)高橋洋子

この音源は、ハイレゾ配信用に鷺巣詩郎監修の下でリマスタリングされたものです。

ファイル形式はFlacで、スペックは192.0kHz/24bit です。

この音源を選んだのは、同じアルバムのCD版と比べ、音圧・解像度・空間表現の向上が顕著で、ハイレゾ音源としてハイレゾ感を感じ易いからです。

試聴環境

SONY NW-ZX2というハイレゾ音源対応のポータブルプレイヤーに、以下の2つのイヤホンと2つのヘッドホンを直差しします。

ハイレゾ記事の写真 (2)

SHURE SE215spe(ハイレゾ非対応)

価格が1万円台のダイナミック型イヤホンです。

通常のダイナミック型イヤホンの搭載される振動版とは異なり、特殊なダイナミック型MicroDriverというBAのような小型のダイナミックユニットを積んでいます。

再生周波数帯域は、21Hz~17.5kHzで、ハイレゾ非対応です。

今回の試聴では、XBA-A2と価格・音質レベルを同等にするため、ケーブルを1万円以内の価格のZEPHONE EL-21(ブルーシーガル)に、イヤーピースを1000円程度のSHUREのトリプルフランジに変更します。

SONY XBA-A2(ハイレゾ対応)

価格が2万円台のハイブリッド型イヤホンです。12mmのダイナミックと2基のBA(バランスド・アーマチュア)を積んでいます。

BAの内一基はツイーターとして使用されるため、高域の主張が強めです。

再生周波数帯域は、4Hz~40kHzで、ハイレゾ対応イヤホンとなります。

ハイレゾ記事の写真 (1)

SONY MDR-1A(ハイレゾ対応)

価格が2万円台の密閉型ヘッドホンです。このヘッドホンはリスニング向けのヘッドホンで、ハイレゾ音源であるか否かにかかわらず、広めの音場、若干強めの低音が特徴です。

再生周波数帯域は、3Hz~100kHzで、ハイレゾ対応ヘッドホンとなります。

SHURE SRH1540(ハイレゾ非対応)

価格が5万円台の密閉型ヘッドホンです。このヘッドホンはモニターヘッドホンの属するのですが、実際の音は、開放型ヘッドホンのような広大な音場と、フラットで明るくもまろやかな音質を特徴とする、音楽を楽しく聞かせてくれるリスニングヘッドホンのような鳴り方をします。

再生周波数帯域は、5Hz~25kHzで、ハイレゾ非対応ヘッドホンとなります。

ハイレゾ版「残酷な天使のテーゼ」の試聴開始!

SHURE SE215spe(カスタマイズ)

ボーカルのエッジ感は全く感じられず、まろやかで、自然な人の声の厚みがあります。

バスドラムとベースは量が多めで、輪郭は少し甘めです。低音に関しては、アタック音でビシビシ聞かせるというよりは、風圧というか圧力で低音の迫力を楽しむタイプといった感じです。

右で鳴っているハイハットの音色は自然で、音の分離も良く、はっきりと聞こえます。

シンセサイザーのブラスの音やオケヒットの音は、やわらかく、刺激的な音ではありません。

間奏のシンセベースは、アタックが柔らかめで、低音の強い圧力を感じます。

音場はモニター系のイヤホンのように近めで、奥行きもあまり感じません。

全体的な感想としては、解像度はそこそこ高く、力強くも柔らかい音色で、刺激的な音を全く出さないといった感じです。

SONY XBA-A2

ボーカルは少しエッジが立ち気味ですが、刺さりはしません。クールな音色です。

バスドラムとベースは、SE215speと同様に強めで圧力を感じます。音の輪郭はSE215speよりも若干くっきりしていて、アタック音も強めです。

右で鳴っているハイハットの音は、少しサラサラとした感じがあり、聞く人によっては、ハイハットの音がシェイカーの音に聞こえるかもしれません。高音の量は多めで、はっきりと主張してきます。

間奏のシンセサイザーのブラスの音やオケヒットの音は、柔らかめでありながら明るい音色で、SE215speより金属感があります。

間奏のシンセベースの音は、SE215speより少し圧力感が減少し、アタック音の方が目立って聞こえます。

音場は、左右は広め、奥行きは少し感じるといった具合です。

全体的な感想としては、解像度はSE215speと同じぐらいで、少し広めの音場、刺激的にならない程度の音の明るさとエッジ感、適度に締まった低音といった感じです。

ボーカルの生々しさならSE215spe(カスタマイズ)、楽器音の爽快感ならXBA-A2という感想を持ちました。

SONY MDR-1A

ボーカルはクールな音色で、若干厚みが薄目ですが、ボーカルは若干前に出てくる印象があり、ボーカルの厚みが薄目であっても、ボーカルが引っ込んで聞こえることはありません。

ボーカルのサシスセソ、タチツテトが、少しですが気になる部分があります。

バスドラムやベースは強めで、音の輪郭は若干甘めです。

ハイハットはXBA-A2のような強い主張はなく、バランスの良い音量で鳴っています。

シンセサイザーのブラス音とオケヒットの音は、少し金属感を感じられる程度の音の明るさ、エッジの立ち具合になっています。

間奏のシンセベースの音は、XBA-A2と同じような鳴り方をします。

音場は左右は広めで、XBA-A2より奥行を感じます。

全体的な感想としては、XBA-A2のヘッドホン版といった感じです。ただ、さすがにヘッドホンだけあって、各音の音像(音の面積)は、MDR-1Aの方が大きく、全体的にXBA-A2よりスケールアップしています。低音は、アタック感と風圧感のバランスが取れていて、楽しく聞く事の出来るヘッドホンだと思いました。

SHURE SRH1540

このヘッドホンは、上記3機種とは別格の音がします。

まず、音が出た瞬間から、前に突き抜けるような奥行きを感じます。

ボーカルは肉厚ではありませんが、非常に艶やかで、定位的には前にてできます。刺さりとは無縁です。

バスドラムやベース音は、上記3機種では強く出ていましたが、SRH1540では、それほど強く出ている印象はなく、音の芯がはっきり聞こえます。その分圧力は感じ難いです。

シンセサイザーのブラスの音とオケヒットの音は、金属感がありながらも柔らかく、ブラス音にかかっているエコーの音もはっきりと聞き取れます。

ハイハットの音色もとても自然です。

間奏のシンセベースの音は、アタックがしっかりしており、余分なふくらみがありません。

全体的な感想としては、音色がまるでクリスタルコーティングを施したかのように生き生きとしていて、フラットなバランス、圧倒的な奥行感といった感じです。

まとめ

今回の試聴結果について、皆さんはどのようにお感じになられたでしょうか?

イヤホンの比較については、ハイレゾ対応であるXBA-A2の方が若干音場の広さを感じましたが、それ以外は、優劣ではなく、好みの範疇の差だと思いました。

ヘッドホンの比較については、値段の差もあるので何とも言い難いところがあるのですが、SRH1540がハイレゾ非対応であるにもかかわらず、空間表現、音色の自然さ等、圧倒的にハイレゾ音源を楽しませてくれました。

私が今回の投稿記事を通して皆さんに伝えたかったのは、ハイレゾ対応か否かによって、イヤホン・ヘッドホンの音質の優劣が決まるわけではないということです。

イヤホン・ヘッドホンを比較検討する際、ハイレゾマークが付いていないからと言って、現在も販売されている名機達を購入候補から外すという事だけは避けるようにしてください。

ロングセラーになっているイヤホン・ヘッドホンは、使い易さや音質に関するしっかりとした基礎・企業の技術が詰め込まれており、いくら新製品が発売されようとも、揺るがない要素が必ずあります。

幅の広い選択肢の中から、ご自身の感性と口コミ等を利用しながら、あなただけの逸品を見つけてみてください!

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