final F7200の試聴レビュー~おすすめシングルBAイヤホン~

先日、秋葉原のe-イヤホンにて、final(ファイナル)というメーカーのF7200というイヤホンを試聴してきました。

このイヤホンは、昨年(2016)の夏に発売されたイヤホンで、本体の素材、ケーブル脱着の有無等によって、F3100、F4100、F7200の3品番がラインナップされています。

今回は、簡単ではありますが、その最上位機種であるF7200の試聴レビューをしたいと思います。

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シングルBAを極めたfinalの音

私がイヤホンにハマりだした頃、高級イヤホンと言えば、BA(バランスドアーマテュア)のSHUREのEシリーズ、アルティメットイヤーズの10PROぐらいでしたが、その後、オーディオテクニカのCK100、WestoneのWestone3、ゼンハイザーのIE8などたくさんのメーカーが高級イヤホン市場に参入し、BAに関しては、複数のBAユニットを積んだマルチドライバーが各メーカーのフラッグシップとなってきました。

こういった高級イヤホンの人気が高まってきた頃に出てきたのが、Final Audio Design(ファイナル・オーディオ・デザイン)のBAイヤホンでした。

現在は、ブランド名をfinalに変更していますが、finalは、BAイヤホンに関しては発売当初からシングルBAにこだわりを持ち、BAに関してはフラッグシップ機もシングルBAとなっています。

シングルBA、マルチBA共にメリット、デメリットがありますが、finalはシングルBAのメリットに着目して、究極のシングルBAイヤホンを目指す個性的な会社だと思います。

F7200について

試聴環境

今回の試聴にあたって、DAPはSONY NW-ZX2を使用し、試聴曲はFLACで取り込んだWinkの「淋しい熱帯魚」(Wink memories 1988-1996 Disc1)を中心に聴いてみました。

この曲は、イヤホンによって低音の量・キレ、全体の音量バランス、解像度、ボーカルの艶等の差が分かりやすいので、使用しました。

私が試聴前に聴いていたイヤホンは、Westoneの「Starシリコンイヤーチップ」を装着したSHURE SE846(ブライトノズル)です。

F7200のイヤーピースは、試聴機に付いていたシリコンイヤーピースで、たぶんサイズはMサイズだと思います。イヤホンは耳の穴へ深めに押し込みました。

F7200の音質

音が出た瞬間、懐かしいシングルBAの音だな~と思ってしまいました。

私が初めて購入した高級イヤホンは、SHUREのE4CというシングルBAでした。F7200の音を聴いた時、このE4Cの音を思い出しました。

私は2007年辺りからダイナミック、BA問わず、色々なイヤホンを試聴・購入してきましたが、質の良い作り込まれたBAイヤホンの音は、ダイナミック型やマルチBAイヤホンでは聞くことのできない独特の雰囲気があります。

F7200の音は、非常になめらかで、ボーカル、シンバル、ハイハット、ベース、ドラムのスネア・キック、シンセサイザーの音といった全ての音に統一感があり、音の質感にちぐはぐした感じは全くありません。

私はマルチBAは、どちらかというとBAというよりダイナミック型に近づいたような音質に感じることが多いのですが、F7200はこれぞBAイヤホンという音で、その質感は音をバイオリンの弓でなでるようなシルキーな音で、実際に耳で聞いている生の音に一番近い感覚があります。

空間はfinalがこだわっている部分なだけに、シングルBAとは思えない広さがあります。上下左右、そして奥行きもかなり広いと思います。

F7200の音のバランスはフラットに感じました。

解像度・分解能は高く、細かい音もしっかりと聞き取ることが出来ます。

低音は、締まった筋肉が付いたような芯を聴かせ、その芯を木材に例えると、何度も何度も丁寧にカンナ掛けをされたツヤツヤな質感です。

ただ、この低音に関しては、皆さんが普段スピーカー等で聴いている低音の感じとは違うと感じるかもしれません。

低音がドン!と鳴った後に出てくるズーンと胸に響くような空気感というものはあまり感じられないからです。

しかし、ダイナミック、ハイブリッド、マルチBAでは感じ難い、本来のBAイヤホンの音を聴きたいなら、このF7200の音を是非聞いていただきたいと思います。

特に所有しているイヤホンが、マルチBA、ハイブリッド型イヤホンばかりという方にとっては、新鮮で、欲しくなってしまうイヤホンだと思います。

なお、このF7200は、基本的な音質については誰が聴いてもあまり変わらないと思いますが、本体が非常に小さく、挿入深度を他のイヤホンには出来ないぐらい自由に調整することが出来きることから、音の厚み、音色の明暗、低中高音の音量バランス、空間の広さや深さなどについては、イヤーピースの選択を含め、セッティングによってかなり変わってくると思います。

F7200のハード面と装着感

雑誌やネットでの写真を見る限り、「細長いイヤホンだな」程度にしか思いませんでしたが、実際、手に取ってみると、思った以上に小さくて驚きました。

F7200本体は、爪楊枝2本分程度の太さで、その長さは、爪楊枝半分程度です。

カラーは非常に美しいシルバーで、アクセサリーのようにも見えます。

今回、私がこのイヤホンに一番興味を持ったのは、音質よりも、このイヤホンの形状でした。

当ブログでは、イヤホン選びのポイントとして、装着感の重要さを何度もお話しさせていただいていますが、このF7200を写真で見たとき、その形状と大きさから、イヤホンに自分の耳を合わせるのではなく、イヤホンが自分の耳に合わせてくれると感じ、最高のフィット感を得らえるのではないかと思いました。

実際に装着してみましたが、少し予想と違いました。

確かにイヤホン本体が非常に小さいので、多くの方々の自分の一番フィットする位置にイヤホンを装着することが出来ると思います。

ただ、このF7200は、イヤホン本体が非常に小さいため、イヤーピースのみでイヤホン本体を支え、外部の音を遮音する形になるので、イヤーピースにシリコンを選択した場合、かなり耳の奥にイヤホンを入れないと、装着感が不安定になる感じがしました。

それと、耳に入れる深さをいくらでも変えられる自由度がある反面、ベストポジションを一発で決めづらく、私はF7200の試聴の際、イヤホンを耳に入れてから深さを何度も調整しているうちに、少し耳が痛くなってきてしまいました。

このベストポジションを決めづらいということに関しては、たくさんのユーザーの方々に実際に装着してもらい、どんな感じなのか実証してみないと何とも言い難いところではありますが、少なくとも私はそう感じました。

まとめ

このfinalのF7200は、シングルBAイヤホンとして最高峰と言っていい程、素晴らしい音質で、フィット感に問題がなければ、唯一無二のお気に入りのイヤホンとなりうると思います。

それ故に、このイヤホンの購入を考えられている方は、必ず試聴・試着してみてください。

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