シティポップって何?①~おすすめ!70年代シティポップ~

今回は、シティポップって興味があるけど、とりあえず誰のどんなアルバムを聴けばいいのか分からないという方に向けた記事です。

先々月(2018年2月)、「レコードコレクターズ」という本で70年代シティポップ特集をやるという情報を知って、シティポップってどういう範疇の音楽のことを指すのか興味を持ったので、3月号を購入し、4月号では引き続き80年代特集だったので、これも購入しました。

私が、シティポップと言われてパッと思いつくのは、雑誌「FM station」の表紙、ドライブ、高層マンションから眺める夜景、ワインといったおしゃれな光景。

私は昭和40年代生まれですが、当時はあまりこういう類の音楽は聴かなかったので、アーティストで思い浮かぶのは、山下達郎さん、寺尾聡さん、稲垣潤一さん、山本達彦さん、その他数名ぐらいです。

そもそもシティポップという言葉を知ったのは、ここ最近で、上記に挙げたアーティストの曲は、自分の中では単にニューミュージックとカテゴライズしていました。

「レコードコレクターズ」では、各号100枚ぐらいのアルバムが紹介されていますが、音楽配信サイトや動画配信サイト等を使って、聴くことの出来るアルバム収録曲は全て聴いてみました。

その中で、気に留まったアルバムやアーティストをおすすめという形で紹介したいと思います。

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70年代のシティポップとは?

「レコードコレクターズ」には、シティポップの源流、シティポップの生まれた背景などが事細かに書かれていて、勉強になるのと同時に、専門的な見解と文字の洪水で、途中から何だか分からなくなってしまいました💦

という訳で、とにかくアルバムレビューを見ながら聴きまくりました。

紹介されているアルバムを聴いてみて、なるほど、一つのジャンルとして成立する特徴的な音楽だなと思いました。

シティポップの定義は人それぞれだと思いますが、私はおしゃれなアレンジや歌詞、歌謡曲のような泥臭くないメロディー、強いグルーブ感だと思っています。

具体的には、オンコードやテンションノートと多用した不思議で浮遊感のある音の響き、気分をウキウキさせてくれるようなソウル・ファンクの跳ねるリズム、時折スラップを絡めながら動き回るベースライン、軽快でキレのあるギターカッティング、時折見せるブルース・ジャズのアンニュイな雰囲気、といったところです。

70年代の歌謡曲は、歌が中心で伴奏は歌の引き立て役といったようなアレンジ、ミキシングがされていますが、シティポップは、楽器もガンガン主張してきて、聴いているとボーカルのみならず、自然とカッコいい音を出す各楽器にも耳が向いてしまいます。

似た傾向にありながらも、それぞれの持つ細かい個性やこだわりが、アルバムにオリジナリティを与えています。

あと、何となくですが、歌と楽器が同程度の勢いで耳に飛び込んでくるタイプと、比較的歌にスポットを当てる(歌に耳が惹かれる)タイプの2パターンがあるようにも思えました。

気になるアルバム

基本的には、山下達郎さんや荒井由実さんの作り上げるようなアルバムが、シティポップの王道パターンのように思えますが、以下では、それとはちょっと違ったアプローチをしていたり、声に特徴のあるアルバムなどを紹介したいと思います。

今回、参考にした「レコードコレクターズ」は、私のようなシティポップ初心者には非常に読みづらかったので、出来るだけ簡潔にアルバムの雰囲気を紹介するため(時折、私の思い出話も入りますが)、以下にはアルバムに参加したメンバーの事やアーティストの履歴などには、ほぼ触れていませんのでご了承ください。

南佳孝 / 摩天楼のヒロイン

「レコードコレクターズ」で紹介されている多くのアルバムは、私が上記に挙げたようなシティポップの特徴を持つものが多いのですが、このアルバムに関しては大分毛色が違います。

シャンソン、タンゴ、ロック、ブルースなど様々な音楽的要素があちこちに散りばめられ、アルバム全体を通して、非常にドラマティックなので、ノリ良く聴き流すというより、映画を見るようにじっくり聴きこむタイプのアルバムのように感じました。

ごちゃごちゃと余計な音が入っておらず、シンプルで生々しい楽器の音が、歌と共に心に訴えかけてくるようです。

ラストの「午前七時の悲劇」は、南佳孝さんのアンニュイでブルージーな歌声にしびれてしまいました。

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※2014年版は入手困難となっているため、安値の1990年度盤を紹介しています

シュガー・ベイブ / ソングス


山下達郎さんを中心としたバンドで、曲によってボーカルが大貫妙子さん、村松邦男さんに変わります。

このアルバムがリリースされたのは1975年。

この頃、私は小学生の低学年で、シュガー・ベイブの存在は全く知りませんでした。

ずっと後になってから、このアルバムに収録されている「DONW TOWN」や「SHOW」を知りました。

「DONW TOWN」は、フジテレビの「おれたちひょうきん族」でEPOさんの歌うバージョンで知りましたが、この曲はEPOさんのオリジナルだと思っていました。

「SHOW」は、日本テレビの中山秀征さん、松本明子さん、飯島直子さんらが司会を務める「DAISUKI!」で知りました。

このアルバムがリリースされた時、酷評が結構あったようですが、1975年に流行っていた曲は、布施明さんの「シクラメンのかほり」、岩崎宏美さんの「ロマンス」、風の「22才のわかれ」、細川たかしさんの「心のこり」などの昭和歌謡ど真ん中の曲で、それを思うと、この「ソングス」というアルバムが、世間に受け入れられ難かったのは頷ける気がします。

このアルバムに収録されている曲は、ポップソングですが、それまでの歌謡曲とは全く違うメロディー構成・展開になっていて、歌謡曲が身に染みている人が、このアルバムを聴くと、着地すべきところに音が着地しなかったり、サビに向かってエネルギーが増していかないような展開に、何となく腑に落ちないというか、拒否反応を起こしたのではないだろうかと想像します。

多様な音楽が受け入れられている現在では、当時このアルバムが好きだった方のみならず、その他多くの方々に名盤として素直に受け取られていると思います。

洗練されたサウンドと、当時の歌謡曲とは全く違うメロディーラインを、山下達郎さんの艶やかでウニョ~ンと伸びる歌声や、大貫妙子さんの独特の乾いた歌声がなぞっていく「ソングス」というアルバムは、個性の塊のようなアルバムです。

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荒井由実 / 14番目の月

「レコードコレクターズ」では、1st~4thまでの4枚のアルバムが紹介されています。

私は「14番目の月」を挙げましたが、本当はどのアルバムでも良くて、全部おすすめです(^^♪

おすすめの理由は、シティポップのサウンドをベースにしながらも、比較的ボーカルにスポットを当てたアレンジと、それまでの70年代歌謡とは異なるメロディーでありながら、それほど受け入れ難いような複雑なものではないこと、心に染み込むような歌詞などです。

ボーカルにフォーカスと書きましたが、もちろん、中にはサウンドも前に出てくるような曲もあってカッコいいです。

荒井由実さんの曲を聴いていると、これから訪れる80年代の音楽はこうなるという匂いがプンプンします。

私が初めて購入した荒井由実さんのレコードは、松任谷由美さんになってからの「守ってあげたい」でした。

薬師丸ひろ子さんの「ねらわれた学園」を見て、主題歌であるこの曲が気に入りました。

ただ、松任谷由実さんの独特の声がちょっと苦手で、その時はそれ以外の曲は聴きませんでしたが、その後、松任谷由実さんの人気が上がってきて、あちこちで流れてくる松任谷由実さんの曲を聴いていたら、いつの間にか慣れてしまって、改めてそのメロディーやサウンドの良さに気づかされました。

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佐藤奈々子 / ファニー・ウォーキン

1曲目は軽快で、いかにもシティポップという感じですが、その他はメロウでジャジー、ブルージーといった雰囲気です。

気に留まったのは、佐藤奈々子さんの力強い吐息歌い?です。

ささやくような感じの歌い方なんですが、伊藤つかささんのようなフワフワした感じではなく、芯が通っているというかそんな感じで、この声に惹かれました。

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大貫妙子 / Sunshower

ゴージャスな感じのシティポップで幕を開けるアルバムですが、サウンドもさることながら、大貫妙子さんの朴訥な歌い方もシティポップにマッチしていて、心地よさを感じます。

2曲目の「くすりをたくさん」は、身近にある疑問を歌にした面白い曲です。

何となくですが、荒井由実さんなどを含め、シティポップを歌う女性ボーカルの方は、昭和歌謡のような大きなビブラートや感情を表現するための大きな抑揚といった手段を使わず、ストレートな歌い方をしているような気がしました。

この歌い方が、楽器と同様のキレやアンニュイな雰囲気を生んでいるように思えます。

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ハイ・ファイ・セット / ラブ・コレクション

ハイ・ファイ・セットは、フォークグループ「赤い鳥」の解散後、山本潤子さん、山本俊彦さん、大川茂さんで結成されたグループです。

私は、ハイ・ファイ・セットは「卒業写真」など荒井由実さん作詞曲の歌を歌うグループというイメージしかなかったのですが、このアルバムでは、ハイ・ファイ・セットはの持ち味である爽やかなコーラスに軽快なシティポップサウンドが乗り、躍動感あふれる仕上がりになっています。

「フィーリング」など抒情性あふれるメロディーの曲もあり、このアルバムを聴いていると、サーカスの「Mr.サマータイム」や「アメリカン・フィーリング」などが頭に浮かんできます。

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吉田美奈子 / Twilight Zone

このアルバムはちょっとダークな雰囲気があります。

私が惹かれたのは、吉田美奈子さんのドスの効いたような地声と胸に共鳴するようなファルセットで、リスナーをこのアルバムの独特の世界に引き込む歌の魔力のようなものを感じました。

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いしだあゆみ&ティン・パン・アレイ・ファミリー / アワー・コネクション

いしだあゆみさんと言えば、昭和歌謡を代表するかのような「ブルー・ライト・ヨコハマ」が真っ先に思い浮かぶと思いますが、このアルバムでは、いしだあゆみさんのちょっと演歌調の歌い方が排除され、比較的サラッとした歌い方をしています。

1曲目の「私自身」は、少しダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」のようなしゃべりで幕を開ける軽快でおしゃれなシティポップで、あまりのカッコよさにK.O.されてしまいました。

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大橋純子&美乃家セントラル・ステイション / クリスタル・シティー

大橋純子さんというと、「たそがれマイラブ」や「シルエット・ロマンス」しか知らないという方も多いと思いますが、私もその一人で、それ以前の活動については、大分後になってから知ったクチです。

ソロでデビューし、この美乃家セントラル・ステイションを経て、再びソロとなって上記のヒット曲を飛ばしたわけですが、元々、大橋純子さんはソウルフルな方向でやりたかったようで、「たそがれマイラブ」の話をもらった時に、その曲調がこれから美乃家セントラル・ステイションと共にやって行こうとする自分の方向性と違うので、相当迷ったそうです。

このアルバムでは、まさに都会を思わせるようなおしゃれなサウンドに、大橋純子さんの音域の広いパワフルなボーカルが乗り、聴いていてテンションが上がります。

他のシティポップ女性ボーカリストと違うのは、胸をざわつかせるような豊かなビブラートと艶やかな声で、この人に歌謡曲を歌わせたら凄いことになるだろうと思わせるところだと思います。

大ヒットした「たそがれマイラブ」等も良いですが、このアルバムのような自分のやりたい音楽をのびのびと楽しんでやっている大橋純子さんに大きな魅力を感じます。

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※このアルバムは廃盤で高値になっていましたが、2018年6月13日に再発予定です。

原田真二 / フィル・ハッピー

私のようなザ・ベストテン世代だと、黒柳さんがビーバーちゃんというニックネームをつけたかわいらしい原田真二さんの容姿と、スウィートな声でおしゃれな曲を歌う人という印象が強いと思います。

この頃、立て続けにシングルをリリースしましたが、やっぱり印象深いのは「キャンディ」。

せつない曲調ですが、歌謡曲とは違うおしゃれな旋律がとても印象的でした。

当時は、ド派手でドラマティックな曲が世間を賑やかしていて、原田真二さんはいつの間にか見なくなったという感じでしたが、このアルバムを聴いて、もっと原田真二さんの曲を聴いておけば良かったなと思いました。

このアルバムを聴くと、声に可愛らしさを残しながら、パワフルで音域も広く、心の叫びを吐露するかのような時折見せるシャウトに魅了されると思います。

洋楽と邦楽のメロディーのいいとこ取りしたような旋律は、どの曲にも散りばめられていて、聴き終わった後の満足度は非常に高いアルバムです。

シングルの「てぃ~んず ぶるーす」、「キャンディ」が収録されたアルバムですが、2007年に再発されたCDには、ヒットを放った「シャドー・ボクサー」や「タイムト・ラベル」も収録されています。

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SHOGUN / ROTATION

SHOGUNと言えば、松田優作さん主演ドラマ「探偵物語」のオープニング、エンディング曲が有名ですが、この2曲は、このアルバムに収録されています。

あのサウンドが好きなら、ドンピシャのアルバムです。

SHOGUNは他のシティポップバンドに比べて、物凄くリズムがタイトでキレがあり、そこにホーンセクションが入って、もうノリノリです。

海辺をドライブしながら爽快に聴くというよりは、海辺に車を停めて、踊りまくるといったシチュエーションに合うようなアルバムです。

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BUZZ / レクヰエム・ザ・シティ

日産スカイラインCM「ケンとメリー~愛と風のように」で知られる小出博志さんとと東郷昌和によるフォーク・デュオです。

シティポップ的なアプローチはなされていますが、どちらかというとフォークミュージック的な印象を受けます。

その歌声や曲調から、チューリップやフォーク時代のオフコースのような雰囲気も感じます。

これらのバンドを好きな方には聴いていただきたい1枚です。

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※2012年発売の紙ジャケ使用は、現在入手困難となっています

小林泉美&フライング・ミミ・バンド / オレンジ・スカイ

小林泉美さんは、テレビアニメ「うる星やつら」の主題歌「DANCING STAR」等を歌っていた方で、その他、「うる星やつら」の音楽には作曲・編曲で関わっています。

アイドルのような可愛らしい声が、トロピカルムード漂うシティポップサウンドに乗り、緩急のあるリズムと共に、夏をイメージさせるようなアルバムになっています。

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古井戸 / Side By Side

加奈崎芳太郎と仲井戸麗市さんのフォークデュオです。

このアルバムでは、フォークソングのメロディーを主体としながらも、アコースティックを中心としたサウンドで、おしゃれでジャジーなアレンジが施されれています。

メロディーの心地よさと、ふんわりしたおしゃれ感を味わいたい方におすすめです。

このアルバムはCD化されていないのか、探しても見つかりませんでした。

ムーンライダース / ヌーベル・バーグ

このアルバムは、ロック、テクノ、シティポップを混ぜたような、物凄くバラエティに富んだアルバムです。

歌詞が日本語で、時には可愛らしいようなメロディーもあったりで、今まで紹介してきたアルバムの中で、一番個性的です。

全体的には70年代のプログレッシブロックバンドの雄を集めたASIAのような雰囲気を感じました。

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山本達彦 / Sudden Wind

メロウな感じの曲が多く、シティポップの軽快なアレンジを聞かせるというより、歌にスポットが当たっており、男性版ユーミンのようにも思えます。

とてもメロディーが綺麗で、山本達彦さんのクールな声で歌われる楽曲は、歌謡曲ではなく、やはりシティポップです。

1曲目の「突風」は、美しく物悲しい旋律で、いきなり心を鷲掴みにされます。

80年代に入ると「マティーニ・アワー」というアルバムをリリースしますが、こちらは超おしゃれなバリバリのシティポップとなっているので、是非聴いてみてください。

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※現在、CDは入手困難な状況です

越美晴 / おもちゃ箱 第1幕

シティポップらしいおしゃれで軽快な曲や、かわいらしい曲、キャンディーズの「その気にさせないで」のような大人っぽい歌謡曲調の曲などが収録されています。

越美晴さんの声は、アイドルのような可愛らしさがあり、上下の激しいメロディーをファルセット(裏声)を使いながら飛び回るさまは、まさにおもちゃ箱をひっくり返したような楽しい気分にさせてくれます。

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※現在、CDは高値となっています

まとめ

70年代シティポップとされている多くのアルバムには、山下達郎さん、松任谷正隆さん、細野晴臣さん、松本隆さん、坂本龍一さんなど、そうそうたるメンバーが参加しており、グルーブを伴った完璧なサウンドになっています。

あとは、私が上記に挙げさせていただいたような個性から、少しずつ自分好みのアーティストを見つけていかれると良いと思います。

後日、80年代シティポップとについても同じような内容で書いてみたいと思いますので、また遊びに来てください(*^-^*)

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